「プロデュース」ってなんだろう?
日常的に使われている、カタカナ言葉で迷うことがあります。
馴染みがあって自分も使うけれど、分かるんだけど、分かってない…。
(…ありませんか? 笑)
最近よく考えていたのが「プロデュース」という言葉。
私たちカブトスでは、お客様へお話する際に使うことがあります。
飲食店プロデュース、空間プロデュース、リノベーションのプロデュース…
この「プロデュース」は、カブトスのどんな仕事を指すのだろう?
この言葉について少し悩んでいたところ、思い出したことがありました。
有名な児童文学『モモ』のひとシーン。
廃墟になった野外劇場にモモの住まいが作られるのですが…。
突然やってきた女の子の住処をつくるべく、居合わせた近くの住民たちが各々の得意分野を持ち寄ります。
ひとりの左官屋がかまどを作り、年寄りの指物師が小さなテーブルとイスを作り、女性たちがベッドと毛布を取り付けます。
寄って集まって…『モモ』からのヒント
”廃墟の舞台したの石の穴ぐらは、これできもちのいい小べやになりました。絵ごころのある左官屋は、さいごの仕上げに壁にすてきな花の絵を描き、それに額ぶちと止め金まで描きそえました。”(引用:『モモ』ミヒャエル・エンデ 作 大島かおり 訳)
このシーンの素敵なところは、皆が同じ目的に向かって、自分のできることを惜しみなく出しているところ。
それから、出来上がるへやをより良いものにしようと思っているところ。(イスは二脚つくるんですよ。壁の絵もいいですよね。)
誰かのために皆で寄って集まって、同じ目的で何かをつくりあげる!
「プロデュース」の原型なのかも、と感じました。
この集団にもきっと、いち早く動いたり役割を分担したり、「仕切り役」がいるはずなのですが、決してそれは目立たない。主役はその部屋に暮らすモモですよね。
お客さまが中心で、それを取り巻くプロフェッショナルたちの、それぞれの魅力を一番よく生かせる立場。
それが「カブトスのプロデュース」なのかなぁと、少ししっくり来たのでした。
*写真は2019年末に閉業した”カブトスカフェ”(藤沢市鵠沼海岸)です。同物件は現在地中海料理のお店となり、内装の一部も引き継いでくださっています。
カブトス 広報 ハナイ
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